引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1488473945
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1:名無しさん 2017/03/03(金)01:59:05 ID:KV1
古田敦也、城島健司、阿部慎之助、
常勝球団に強打の捕手あり。

年々緻密化煩雑化していく捕手業で出場を続けることは至難の業である。
近年では規定打席に到達する捕手も少なくなった。
打撃には目を瞑るから無難なリードをしてほしい、
そんな弱気な願望が昨今の現場の本音であろう。

そんな中現れたこの男は阪神タイガースのみならず日本中のプロ野球ファンの注目を集めた。
2:名無しさん 2017/03/03(金)02:00:24 ID:KV1
12月某日、あるテレビ番組の会議室。

「それではそれまでの既存のバラエティ番組と何ら変わらないのでは?」
「取り上げる内容は深く濃いものにして玄人をうならせるものにしないといけません」
「もちろん初心者が見ても分かり易い構成にして工夫しないと頭打ちになります」

真剣な面持ちで議論を重ねる面々の中にその男はいた。

「やっと会議終わりましたよ。18時終了予定がもう20時近いですね
でも妥協したらいいものは作れませんからね」

そう語るのは元・阪神タイガースの原口文仁。
その生真面目で妥協を許さない性格は現役の頃から変わっていなかった。
3:名無しさん 2017/03/03(金)02:01:01 ID:KV1
原口は2009年のドラフト会議で阪神タイガースから6巡目で指名を受け、入団した。
帝京高校時代には強打の捕手としてチームを牽引、3年時の夏にはチームを甲子園に導いている
その打撃力と将来性を買われての指名だった。
4:名無しさん 2017/03/03(金)02:01:56 ID:KV1
原口と同じ年にはあの城島健司が入団していた。

強肩強打の捕手として常勝球団の福岡ダイエーホークス(福岡ソフトバンクホークス)や、
WBC日本代表の司令塔を務めた城島は原口にとって憧れの存在であった

城島のようになりたい
原口はとにかく城島の後ろについていった。
元来の真面目な性格から片時も離れず城島が閉口することさえもあった。
そうして城島から捕手・打撃の極意を学んだ。
6:名無しさん 2017/03/03(金)02:02:57 ID:KV1
その甲斐もあり、2年目の2011年にはウェスタンリーグで48試合に出場し、
打席数が少ないながらも打率.329、2本塁打という結果を残した。

原口の前途は洋々であるかのように見えた。
8:名無しさん 2017/03/03(金)02:03:53 ID:KV1
3年目の2012年、開幕当初に腰を痛めたことで離脱。
その後一度復帰するも状態は思わしくなく、再び故障
そのこともあり、この年はウェスタンリーグでも16試合の出場にとどまり、
打率.189と結果を残せなかった。

この年、師というべき存在の城島が引退を表明した。
阪神での城島は1年目こそ全試合に出場し、非凡な成績を残したが、
2年目以降は膝の故障もあり、二軍生活が殆どであった。

原口は憧れの大先輩の長年の労を労いつつも
師を失う一抹の不安は拭いきれなかった。
10:名無しさん 2017/03/03(金)02:04:44 ID:KV1
そんな原口にさらなる追い打ちがかけられた。

育成枠への降格。

あくまで、腰の状態が良くなるまでの避難的措置であると球団は説明したが、
原口は目の前が真っ暗になった

「どういう事情だろうが降格は降格ですからね。(ドラフト)下位指名だし、
本当にいつクビになってもおかしくないって状況で」
11:名無しさん 2017/03/03(金)02:05:42 ID:KV1
「でもこれで開き直れたのもあるかもしれませんね
俺はもう一度死んだんだ。失うものは何もないって」

原口はその後も育成選手として黙々と精進を続けた。

腰に不安を覚えながらも持ち前の打棒で這い上がりつつあった。

そんな原口に転機が訪れた。
12:名無しさん 2017/03/03(金)02:06:31 ID:KV1
「なんか、話がとんとん拍子に進みすぎて自分でも状況が飲み込めてませんでした」

育成選手生活4年目の2016年4月27日、原口はついに支配下選手への復帰を果たした。
すると何とその日のうちに一軍登録され、代打で公式戦初出場、捕手の守備にも就いた。
原口の支配下登録後の背番号94番のユニフォームの手配が間に合わず、
山田勝彦コーチ(現北海道日本ハムファイターズバッテリーコーチ)のユニフォーム(背番号82番)を代用したほど急転直下の展開であった。

その2日後にはスターティングメンバーに起用されると、翌5月には打率.380、5本塁打、17打点という成績で育成選手経験野手では史上初となる月間MVPを獲得、
さらにその年のオールスターゲームではノミネート外であったにも関わらず異例の投票数を集め、セ・リーグ捕手部門2位という得票数を記録した。
惜しくもファン投票選出には至らなかったものの監督推薦で出場、これもまた育成選手経験捕手としては史上初の快挙であり、
まさにシンデレラストーリーであった。
13:名無しさん 2017/03/03(金)02:07:21 ID:KV1
107試合出場、打率.299、11本塁打、47打点

規定打席数には到達しなかったものの、支配下登録復帰1年目としては十分すぎる結果であった。
強打の生え抜き若手捕手、阪神ファン求めていた全てを兼ね備えたこの選手の登場に阪神ファンはもちろん、
シンデレラストーリーでの台頭は他球団のファンからの注目も集めた。

しかし、順風満帆な1年ではなかった。
14:名無しさん 2017/03/03(金)02:08:21 ID:KV1
この時の阪神捕手陣は岡崎太一(現阪神タイガースバッテリーコーチ)、梅野隆太郎(現オリックス・バファローズ)、坂本誠志郎という顔ぶれであり、
原口は彼らと正捕手の座を争った。

打撃では抜きんでていた原口であったが、捕手としての評価は必ずしも芳しいものではなく、
特にバッテリーコーチだった矢野燿大は原口の正捕手起用に難色を示していた。
また、一部の投手からはバッテリーを組むことを拒否されることも少なからずあった。

「そりゃあ僕のリードやキャッチングはまだまだ稚拙でとても一人前と呼べるもんじゃありませんでしたよ
まして球界を代表する捕手だった矢野さんから見ればなおさらでしたでしょうしね」

「でも岡崎さんや梅野、坂本のそれが僕を大きく上回っているとは思いませんでした
だったら自分で言うのも何ですけど打撃で一番結果を残している僕を正捕手として起用するのが
チームの勝利のためのベストだと思ったんです」
15:名無しさん 2017/03/03(金)02:09:50 ID:KV1
真面目で負けん気が強く自分の信念を曲げない原口はこれに反発した。

「技術的なことで批判されるならそれの改善に努めることもできますけど
『構えに気持ちが入ってない』とか何ですか、それ」

「そうやって抽象的な言葉で僕を貶めることしかできないコーチには反発しました」

「投手陣にしてもそうですね。打たれるのを全て捕手のせいにするのはいかがなもんでしょうか
だから能見(篤史)さんや藤浪(晋太郎)に言ってやりましたよ。
『かわいい後輩の坂本と組めて満足ですか?』
『大好きな鶴岡(一成。現横浜DeNAベイスターズバッテリーコーチ)さんに捕ってもらえたら打たれても本望だな』てね」

原口は孤高の存在となっていった。
16:名無しさん 2017/03/03(金)02:11:08 ID:KV1
その後、幾度も一塁へのコンバート案が浮上するものの
そのたびに原口は捕手への強いこだわりを首脳陣に訴え、
あくまでサブポジションとしての起用にとどめていた。

その原口の捕手起用を後押ししていたのは監督の金本知憲であった。

「僕を育成から這い上がらせてくれたのも金本さん。本当に頭が上がりません」
17:名無しさん 2017/03/03(金)02:11:54 ID:KV1
原口はその後も2割台後半の打率と二桁本塁打をコンスタントに記録、
捕手としての研鑽も積み、リーグを代表する強打の捕手としての道を歩みつつあった。

そんな中、またも原口に試練が降りかかった。
19:名無しさん 2017/03/03(金)02:13:17 ID:KV1
―金本監督、休養

原口の躍進とは裏腹に、チームは混迷を極めていた。
金本監督就任初年度こそ4位にとどまったものの
2年目、3年目は5位に10ゲーム以上離されての最下位であった。
監督である金本への批判は日に日に強まり、
そして自力優勝も夏前に早々に消滅した4年目の2019年夏、
球団は金本の休養を発表、事実上の解任であった。
シーズン途中の退任であったため、ヘッドコーチだった矢野が監督代行を務め、
シーズン終了後にはそのまま正式に監督に就任した。

原口の苦難の日々の始まりであった。
20:名無しさん 2017/03/03(金)02:14:21 ID:m1k
21:名無しさん 2017/03/03(金)02:14:33 ID:KV1
「監督が矢野さん、バッテリーコーチは矢野派閥の岡崎さん、
投手コーチは能見さん、チームリーダーはエースの藤浪、
もう四面楚歌ですよ(笑)」

原口の捕手起用をバックアップしていた金本もいなくなり、
矢野は原口をほとんど一塁手として起用、原口の捕手としての出番は奪われていった。

捕手としての道を断たれた原口はその後打撃も精彩を欠き、
矢野監督就任から4年目には二軍生活が殆どとなり、
その年のオフに球団から戦力外通告を受けた。
22:名無しさん 2017/03/03(金)02:14:45 ID:J6W
最下位になるんか
23:名無しさん 2017/03/03(金)02:14:52 ID:cf5
ありえそう
24:名無しさん 2017/03/03(金)02:15:20 ID:KV1
最後は精彩を欠いていたとはいえ、一時は主力選手だった原口に
球団は球団職員のポストを用意、原口もそれを受諾していた。

そんな折、原口のもとに思いもかけない誘いが舞い込んできた。
26:名無しさん 2017/03/03(金)02:17:16 ID:KV1
「ホークスの優勝に力を貸してくれないか?」

そう原口を誘ったのは、かつて原口が師と敬愛した城島健司であった。

この年、城島は福岡ソフトバンクホークスの監督として12年ぶりの球界復帰が内定していた。

その城島は原口を次年度以降の打撃コーチ起用前提のスコアラーに誘ったのであった。
27:名無しさん 2017/03/03(金)02:18:00 ID:KV1
「もう本当に夢のようでした。憧れで生涯の目標だった城島さんの下でまた野球に携われるなんて」

原口は一度内定していた阪神球団職員のポストを辞退して、福岡行きの準備を進めた。

しかし、またも原口に苦難が降りかかる。
28:名無しさん 2017/03/03(金)02:18:15 ID:G6u
釣り人から転職したんか
29:名無しさん 2017/03/03(金)02:18:50 ID:KV1
―城島監督就任、白紙。

ほぼ決まりかけていた城島のホークス監督就任が土壇場で白紙となった。

契約面で最後に衝突が生じたことと、次期監督対抗馬だった松中信彦の政治的活動で、
城島ホークス誕生は幻のものとなった。

当然、城島が監督でないホークスに原口の席はなく、
一度受諾した球団職員のポストを蹴った阪神に戻れるわけもなく、原口は行き場を失った。
31:名無しさん 2017/03/03(金)02:19:53 ID:1qK
30:名無しさん 2017/03/03(金)02:19:53 ID:cf5
最悪の展開やな
32:名無しさん 2017/03/03(金)02:20:10 ID:m1k
編集恣意的過ぎて草ですよ
33:名無しさん 2017/03/03(金)02:20:15 ID:KV1
度重なる不運、理不尽な不遇の連続にも屈することなく進み続けていた原口もついに糸が切れた。

行き場を失った原口は酒色に溺れ、現実から逃避した。
将来への不安、減っていく貯蓄、絶えない妻との喧嘩、
原口の家庭は荒廃していった。

そんな原口に救いの手が差し伸べられた。
34:名無しさん 2017/03/03(金)02:21:15 ID:KV1
「僕が監督を続けられていたらアイツは捕手としてもっと大成できたかもしれない、
そう思うと責任を感じて何かしてやらないかんと思ったのよね」

救いの手の主はかつての監督、金本知憲であった。

「僕を支配下から引き上げてくれたのも、捕手起用をバックアップしてくれたのも、
野球を失ってどん底にいた時に手を差し伸べてくれたのも、全部金本さん
僕の人生に金本さんがいなかったらと思うとゾッとしますね」
35:名無しさん 2017/03/03(金)02:21:53 ID:J6W
ヤニキ有能
36:名無しさん 2017/03/03(金)02:22:09 ID:KV1
金本は現場から退いたあとも、関西圏を中心に絶大な人気を誇り、
解説や講演、タレント活動等で多忙を極めていた。

「ちょうどマネジメント契約していたプロダクションとの契約が終了して独立してた時で
マネージャーを探していたんだわ」

「まあ正直言うと自分で管理できるくらいの仕事量にセーブするつもりだったし
スケジュール管理とか交渉とかそんな小難しいことはやらせるつもりはなかったのよね
せいぜい荷物持ちと車の運転さえしてくれれば、と」
37:名無しさん 2017/03/03(金)02:22:15 ID:G6u
かっこいい(小並感)
38:名無しさん 2017/03/03(金)02:22:49 ID:1qK
ただのパシリで草
39:名無しさん 2017/03/03(金)02:23:08 ID:KV1
しかし、原口は金本の予想をいい意味で裏切った。

元来、真面目で勉強家、さらに捕手経験で磨いた洞察力で
原口はマネージャー業務をどんどん習得していった。

「まさかここまでマネージャーとして活躍してくれるとは思わなかったわね。
原口がマネージャーになってから仕事をセーブするつもりだったのが逆に増えた(笑)」
42:名無しさん 2017/03/03(金)02:24:01 ID:KV1
「誠実で機転も利くからまた金本さんに仕事を依頼したいなって思わせてくれますね」

ある番組のプロデューサーはこう語る。
現場のスタッフからの評判も上々のようだ。

「勿論理不尽なこともたくさんありますよ。でも現役時代に受けた不遇と比べれば、
頭を下げることなんか苦じゃありませんね。今初めて矢野さんに感謝してるかも(笑)」

充実した原口の顔にもうあの頃の思いつめた悲壮な面影はなかった。
44:名無しさん 2017/03/03(金)02:25:09 ID:KV1
「今度、関西ローカルで金本さんをパーソナリティーに起用した野球番組が始まるんですけど、
なんと僕も企画構成チームの一人に加えてもらったんです。この番組のプロデューサーが以前一緒に仕事をした方で、その縁で僕を推薦してくれて」

冒頭の会議の様子はその番組のものであった。
原口はその番組に元プロ野球選手としての知識、経験を活かして企画を構成する。
金本のマネジメント業務と相まって目の回るような忙しい日々を送っている。
45:名無しさん 2017/03/03(金)02:26:17 ID:KV1
TLLLL…TLLLLL…

「はい、金本知憲事務所、原口です!お世話になっております。打合せですね
では明日の13時に御社にお邪魔してもよろしいでしょうか?はい、ありがとうございます
それでは明日、よろしくお願いします!」

「ああ、私です、原口です。明日13時から○○社との打合せのアポイントが取れましたので
今日の19時までに番組構成のA案とB案をプレゼン用に再作成して私にメールで送って頂けませんか?」

「お疲れ様です、原口です。明日13時○○社との打合せが入りましたので××さんも同行お願いできますか?
ええ、そろそろ××さんも顔合わせしといた方がいいかと。時期的にもうそろそろこっちの方は煮詰めとかないと」

原口の第二の司令塔人生はこれからだ。



47:名無しさん 2017/03/03(金)02:27:04 ID:cf5
乙やで
50:名無しさん 2017/03/03(金)02:29:16 ID:qpy
ジョニキのマネージャーやってる可能性の方が高そう(KONAMI)
52:名無しさん 2017/03/03(金)02:30:16 ID:G6u
で実際原口ってファーストだと打撃
悪くなるってことはありえるん?
54:■忍法帖【Lv=10,じごくのきし,XGi】 2017/03/03(金)02:32:06 ID:U3N
>>52
一般的に守備負担の軽いポジションに変わったからといって必ずしも打撃成績が向上するわけではないのは山田とかでお察し
55:名無しさん 2017/03/03(金)02:35:22 ID:cf5
>>54
一塁にコンバートするのは捕手よりシーズン通して負担が少ないからやぞ
山田のはたった数試合やから比較は出来ん
48:名無しさん 2017/03/03(金)02:28:05 ID:CuY
ヤネキに草