１０年ぶりの１軍登板を果たしたが、４連続四死球など大荒れで１回３安打５失点だった。
悪夢の登板前の様子をチーム関係者が打ち明ける。

「今だからいえることだけど。実はあのときは投球の状態そのものが悪かった。だから、打たれると思った。
ストライクが入らなかったのは意外だったけど」

９月下旬、コーチ会議では松坂の起用が検討されていた。
本人も試合を視野に入れて調整を続けていたが、実は、１度は今季中の登板がないことを告げられた。
「今季はもうない、ということだから」と調整をやめ、来季に向けた練習に切り替えた。

それまで連投を控えていたが、初めて３日連続のブルペン入りも敢行。
そんな時、最終戦での登板が決まった。

試合を見据えた調整をしていたら別の結果が待っていたかもしれない。

それなら、登板後に本人に開き直りのような表情がみられたことも納得できる。

急な方針転換があったことは悪く受け取れば「言い訳」だ。

ただ、順位が決まった後の最終戦は言い訳が許される数少ない試合。
さらに松坂は決してこのことを口にせず、海の向こうで鍛錬に励んでいる。

来季、あの惨状が真の姿ではないことを証明してくれれば、それでいい。